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ー防水工事の検査で失敗を防ぐコツとは?品質を見極めるポイントを解説ー

 

防水工事の検査が重要な理由

防水工事は、屋上やバルコニー、外廊下など建物を雨水から守るうえで欠かせない工事です。しかし、どれだけ良い材料を使っていても、施工や検査が不十分だと、本来の性能を発揮できず、数年以内に雨漏りが発生してしまうこともあります。そこで重要になるのが「防水工事の検査」です。計画的に検査を行うことで、施工不良や見落としを早い段階で発見し、大きなトラブルに発展する前に手を打つことができます。
また、防水工事は完成してしまうと内部の状態が見えにくくなるため、工事中と完了時の検査をきちんと記録しておくことが、将来のメンテナンスや保証の観点でも大切です。どのような基準で検査が行われ、どんな結果だったのかを残しておけば、万が一不具合が起きた場合の原因特定や、再発防止にも役立ちます。

防水工事の検査の流れ

防水工事の検査と聞くと「工事が終わったあとに少し見るだけ」と思われがちですが、実際には工事の前後や途中で複数回行うのが理想的です。ここでは一般的な検査の流れを知ることで、発注者としてどのタイミングで何を確認すべきかイメージしやすくしていきましょう。

事前調査と下地確認

まず工事前には、既存防水層や下地の状態を確認するための事前調査が行われます。漏水箇所の有無、ひび割れや浮き、勾配の状況、排水ドレンの詰まりなどをチェックし、どの範囲まで撤去・補修が必要かを判断します。
この段階で、過去の雨漏り履歴や増改築の有無など、建物の情報をヒアリングしておくことも重要です。事前調査が不十分だと、工事後に想定外の不具合が出たり、必要な補修が抜け落ちてしまう可能性があります。

施工中の中間検査

防水工事の品質を左右するのは、実は「見えなくなる前のひと手間」です。下地調整やひび割れ補修、プライマー塗布、防水材の塗り重ね状況などは、工事が進むと隠れてしまいます。そのため、施工中の中間検査で、図面通りの仕様になっているかを確認することが大切です。
具体的には、補修の範囲や方法が適切か、端部や立ち上がりの処理が正しく行われているか、塗膜防水であれば所定の膜厚が確保できているか、シート防水であればシートの重ね幅や溶着状態が問題ないか、といった項目をチェックします。現場写真を残してもらうと、あとから見返す際にも分かりやすくなります。

完了検査と立ち会い

工事が完了したら、仕上がりを確認する完了検査を行います。表面に凹凸やムラがないか、シートの浮きやシワがないか、端部や役物周りの納まりがきれいかなどを、発注者立ち会いのもとで確認するのが理想的です。
また、必要に応じて散水試験や水張り試験などを実施し、実際に水をかけた状態でも漏水が起きないかを確かめます。検査結果は写真とともに報告書にまとめてもらい、保証書とセットで保管しておくと安心です。

代表的な防水工事の検査方法

防水工事の検査には、目視でチェックする方法から、実際に水を使う試験、専用機器を用いる非破壊検査まで、さまざまな方法があります。それぞれ得意とする目的が異なるため、現場の状況に合わせて組み合わせて実施することがポイントです。

目視検査と打診検査

もっとも基本となるのが目視検査です。ひび割れ、膨れ、めくれ、色ムラ、シートのシワや浮き、端部の隙間などを、近くから丁寧に確認します。特に排水口まわりや立ち上がり部分、入隅や出隅などは不具合が出やすいため、重点的にチェックします。
場合によっては、打診棒などで表面を軽くたたき、中の浮きや空洞がないかを調べる打診検査も行います。見た目では分からない浮きも、音の違いで判断できるため、改修工事の事前調査や完了検査で有効な方法です。

散水試験・水張り試験

実際に水を使って行う検査として代表的なのが、散水試験と水張り試験です。散水試験は、ホースなどで一定時間水をかけ、室内側に漏水がないかを確認する方法です。サッシまわりや外壁のクラック、配管貫通部のまわりなど、ピンポイントで疑わしい箇所がある場合に有効です。
一方、水張り試験は、屋上やバルコニーなど床面に水を溜め、一定時間放置して漏水の有無を確認する方法です。広い面積の防水性能をまとめて確認できる一方、排水設備の養生や近隣への配慮が必要なため、事前の計画が欠かせません。どちらの試験も、実施前に居室側の養生やスケジュール調整をしておくことが大切です。

赤外線調査などの非破壊検査

近年増えているのが、赤外線カメラなどを使った非破壊検査です。防水層の下に入り込んだ水分は、周囲と温度差を生じるため、赤外線画像として可視化できます。広い屋上全体の状態を短時間で把握しやすく、どの範囲を重点的に改修すべきかの判断材料としても役立ちます。
非破壊検査は、既存防水層を壊さずに状態を把握できるのがメリットですが、天候条件や検査時間帯によって結果が左右されることもあります。目視検査や散水試験と組み合わせて総合的に判断することで、より精度の高い診断につながります。

検査内容を理解して発注者として確認すべきポイント

ここまで見てきたように、防水工事の検査にはいくつかの段階と方法があります。発注者としてすべてを専門家レベルで理解する必要はありませんが、「どのような検査を、いつ、どのような基準で行っているか」を把握しておくことで、工事が適切に進んでいるかどうかを判断しやすくなります。

検査項目と基準が明確になっているか

見積書や契約書の段階で、「どのタイミングでどんな検査をするのか」「合否の基準は何か」が明記されているかを確認しましょう。例えば、塗膜防水であれば「所定膜厚〇ミリ以上を確保する」「ピンホールがないこと」など、具体的な基準が示されていると安心です。
もし検査内容が曖昧な場合は、「工事前調査」「中間検査」「完了検査」の有無や、写真付き報告書の提出などについて、事前に質問しておくとよいでしょう。検査をきちんと行う業者ほど、こうした質問にも丁寧に答えてくれます。

写真や報告書でエビデンスが残るか

検査結果を口頭だけで済ませてしまうと、時間が経つにつれて内容が薄れてしまいます。できれば、施工前・施工中・完了後の写真を撮影し、簡単なコメントとともに報告書としてまとめてもらうのがおすすめです。
報告書が残っていれば、数年後に別の担当者が工事を引き継ぐ際にも役立ちますし、保証期間内に不具合が発生した場合の証拠としても活用できます。特に法人所有の建物では、社内稟議や決裁の場で説明する資料としても有効です。

防水工事の検査で建物を長く安心して使うために

防水工事の検査は、一見すると地味な作業に見えるかもしれませんが、実は建物を長く安心して使うための「要」となる工程です。検査をおろそかにすれば、数年後の雨漏りや大規模改修のリスクが高まり、結果的に大きなコスト負担につながる可能性があります。
逆に、事前調査から中間検査、完了検査までを計画的に行い、その結果をきちんと記録しておけば、防水層の状態やメンテナンスのタイミングを判断しやすくなります。発注者としては、検査内容や基準を理解し、必要な情報開示や説明を求めることで、より安心できる防水工事につなげることができます。
これから防水工事を検討している方は、価格や工法だけでなく、「どのような検査をどの程度行ってくれるのか」という視点もぜひ加えて業者を比較してみてください。それが、建物の資産価値を守り、長期的なランニングコストを抑える近道になります。

2025.12.19