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ー防水工事の防水性能を高めるには?長持ちさせるためのポイントを解説ー

 

防水工事の防水性能とは?

防水工事の「防水性能」とは、簡単に言うと「どれだけ長い期間、雨水を建物内部に侵入させないで守り続けられるか」という力のことです。ただ単に水をはじくだけでなく、紫外線や温度変化、地震や建物の揺れなど、さまざまな環境変化に耐えながら性能を保てるかどうかが重要になります。
屋上やバルコニー、外廊下、ルーフバルコニーなどは、雨や風、直射日光にさらされる過酷な環境です。ここで防水性能が不足していると、コンクリート内部に水が入り、鉄筋がサビたり、仕上げ材が浮いたり、最終的には雨漏りや構造体の劣化につながってしまいます。そのため、防水工事を考えるときは「コスト」だけでなく「防水性能」と「耐久性」をセットで検討することが大切です。

また、防水性能は「工法の種類」「使用する材料」「施工品質」「メンテナンスの有無」といった複数の要素が組み合わさって決まります。どれか一つでも大きく欠けてしまうと、本来の性能を発揮できなくなってしまうため、設計段階から施工、完成後の維持管理まで、トータルで考える視点が求められます。

防水性能を左右する主な要素

防水工事の防水性能は、単に「良い材料を使えば高くなる」という単純なものではありません。材料の選び方だけでなく、下地の状態、設計、施工体制、検査の有無など、いくつかのポイントがかみ合ってはじめて、安定した性能が期待できます。ここでは、その中でも特に重要な要素を整理していきます。

使用する防水材の種類と性能

防水材には、ウレタン塗膜防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などさまざまな種類があります。それぞれ特徴が異なり、得意とする場所や環境も変わってきます。
例えば、ウレタン塗膜防水は、液体を塗って膜をつくる工法のため、複雑な形状の屋上や細かな納まりにも対応しやすいのが特徴です。一方、シート防水は工場で品質管理されたシートを張っていくため、一定の厚みや性能を確保しやすく、広い屋上で力を発揮します。アスファルト防水は歴史が長く、重ね張りによる高い信頼性が魅力です。
どの工法にも一長一短があるため、「この工法なら絶対安心」というものはありません。建物の用途や立地条件、想定する耐用年数、予算などを踏まえたうえで、「この現場にとって最適な工法かどうか」を判断することが、防水性能を高める第一歩です。

下地の状態と施工精度

防水材そのものの性能と同じくらい大切なのが、下地の状態と施工精度です。どれだけ高性能な防水材でも、下地が弱っていたり、不陸(でこぼこ)が大きかったり、ひび割れが放置されていたりすると、十分な防水性能を発揮できません。
下地処理では、以下のようなポイントが重要になります。
・ひび割れや欠損部の補修
・不陸調整による勾配の確保
・汚れやホコリ、油分の除去
・含水率や乾燥状態の確認
これらを丁寧に行うことで、防水層との密着がよくなり、膨れや浮き、早期劣化のリスクを抑えられます。防水工事の見積もりを見る際は、「下地処理の内容がどこまで含まれているか」も、しっかり確認しておきたいポイントです。

代表的な防水工事と防水性能の違い

防水性能を理解するうえでは、「工法ごとの特徴をざっくり押さえておくこと」も役に立ちます。ここでは、よく採用される防水工事の特徴と、防水性能の考え方をやさしく整理していきます。工法名だけ聞いてもピンとこない場合は、「どんな場所に向いているのか」「どんなメリットがあるのか」をセットでイメージしてみてください。

ウレタン塗膜防水の防水性能

ウレタン塗膜防水は、液状の材料を何度か塗り重ねて、ゴムのような防水層を形成する工法です。継ぎ目のない一体的な防水層ができるため、複雑な形状の屋上やルーフバルコニーにも対応しやすいのが大きなメリットです。
防水性能の面では、「膜厚」と「密着性」が重要なポイントになります。設計どおりの膜厚を確保できていないと、摩耗やひび割れによって性能が低下しやすくなりますし、下地との密着が不十分だと、膨れや浮きが発生してそこから水が入り込む原因になります。施工後に膜厚測定や目視検査を行い、所定の状態になっているかを確認することが、防水性能を担保するうえで欠かせません。

シート防水の防水性能

シート防水は、塩ビシートやゴムシートなどを専用の接着剤や機械的固定金物で取り付ける工法です。工場で一定品質のシートが製造されるため、「材料そのものの防水性能」は安定していることが多いです。
一方で、防水性能を左右するのは「シート同士の継ぎ目」と「端部の納まり」です。重ね幅が不足していたり、溶着が甘かったりすると、そこから水が浸入するリスクが高まります。また、風の強い場所では、シートが風であおられないよう、固定ピッチや押さえ金物の仕様も重要なポイントです。
シート防水を採用する場合は、シートの厚みや補強層の有無、下地との相性、固定方法なども含めて、「どのように防水性能を確保しているのか」を業者に説明してもらうと安心です。

アスファルト防水・FRP防水の防水性能

アスファルト防水は、アスファルトを溶かしてルーフィングを複数層貼り重ねる工法で、歴史が長く信頼性の高い防水工法です。層数を増やすことで冗長性が高まり、万が一一部が傷んでもすぐには漏水につながりにくいという点が、防水性能の大きな強みといえます。
FRP防水は、繊維強化プラスチックを使った防水で、硬くて強度が高く、歩行や荷重のかかるバルコニーなどでよく採用されます。硬質で丈夫な一方で、下地の動きが大きい場所や、振動・ひずみの多い場所では、ひび割れに注意が必要です。
このように、工法によって防水性能の出方や注意点が異なるため、「どこに使うか」「どんな使い方をするか」を踏まえて工法を選ぶことが大切です。

防水性能を長持ちさせるためのポイント

どんなに防水性能の高い工法を選んでも、メンテナンスをまったく行わなければ、いつかは性能が落ちてしまいます。逆に、適切なタイミングで点検や補修を繰り返していけば、トラブルを抑えながら長く使い続けることも可能です。ここでは、防水性能を長持ちさせるためのポイントを、日ごろの運用と計画的なメンテナンスの両面から整理していきます。

定期点検と早期発見

防水性能を維持するうえで一番のポイントは、「不具合を早く見つけて、ひどくなる前に手を打つこと」です。最低でも年に1回程度は、屋上やバルコニーの状態を確認し、ひび割れ、膨れ、めくれ、シートの浮き、水たまりの有無などをチェックすることをおすすめします。
特に、排水ドレンまわりや立ち上がり部分、入隅・出隅などは劣化しやすい箇所です。小さなひび割れや隙間のうちに補修しておけば、雨漏りや大掛かりな改修工事を避けられる可能性が高くなります。

清掃・使用方法など日常管理の工夫

防水性能を考えるとき、「清掃なんて関係なさそう」と思われがちですが、実はとても重要です。排水口に落ち葉やゴミがたまると水が溢れ、立ち上がり部分から水が入り込むリスクが高まります。定期的な清掃で水の流れを確保するだけでも、防水層への負担を大きく減らせます。
また、屋上やバルコニーに重いものを直置きしたり、鋭利なものを引きずったりすると、防水層に傷がついて防水性能が落ちる原因になります。どうしても重量物を置く場合は、ゴムシートや支持脚などを使い、防水層に直接負荷がかからないよう工夫することが大切です。

発注者が確認しておきたい防水性能のチェック項目

実際に防水工事を依頼する立場として、「防水性能がきちんと確保できているか」を見極めるのは簡単ではありません。それでも、いくつかのポイントを押さえておくだけで、業者選びや見積もり比較がぐっとやりやすくなります。ここでは、発注者目線でチェックしておきたい項目をまとめます。

仕様書・図面と保証内容

まず確認したいのが、「どの工法をどの仕様で施工するか」が明記された仕様書や図面です。使用材料のメーカー名・品番、膜厚や層構成、仕上げ方法などが具体的に書かれているかをチェックしましょう。
あわせて、防水工事の保証期間や保証範囲も重要です。保証期間が極端に短い場合や、免責事項ばかりが多い場合は、将来的なリスクが高くなることもあります。「この工法であれば標準的にどのくらいの耐用年数が見込めるのか」「保証期間はどの程度なのか」を、納得できるまで説明してもらうことが大切です。

施工体制・検査・記録の有無

防水性能は、現場での施工体制にも大きく左右されます。施工を担当する職人が防水の専門業者なのか、経験年数はどのくらいか、現場管理者が常駐するのか、といった点も確認しておきたいところです。
また、工事中の中間検査や完了検査をどのような内容で行うのか、写真付きの報告書を提出してくれるかどうかも、防水性能を担保するうえで重要です。きちんとした業者ほど、「どのように品質をチェックしているか」を具体的に説明してくれます。

防水性能を意識した工事で建物を長く守ろう

防水工事の防水性能は、「材料のカタログ性能」だけで決まるものではありません。建物に合った工法選び、適切な下地処理、丁寧な施工、計画的な検査とメンテナンス、それらがそろってはじめて、本来の性能を長く発揮できるようになります。
これから防水工事を検討する方は、価格だけで比較するのではなく、「この提案は防水性能をどのように確保し、どのくらいの期間維持できるのか」という視点をぜひ加えてみてください。そうすることで、初期費用とランニングコストのバランスが取れた、納得感のある防水工事につながっていきます。
建物を雨や湿気から守る防水性能は、見えにくい部分だからこそ、後回しにされがちです。しかし、トラブルが起きてからの補修は、想像以上に大きな負担になることも少なくありません。早めの検討と、信頼できる専門業者との連携で、建物の資産価値と快適性をしっかり守っていきましょう。

2025.12.26